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薬品感受性―MDR1  

(ISWShttp://www.silkenwindhounds.org/health.htmlより)

健康に関する某刊行物は、シルケン・ウィンドハウンド(8系統の中に)にイベルメクチン系の薬に対して反応する個体がいることを発見したと発表した。血統によってはたまに残念な反応が出ることは知られているが、なぜ犬によって感受性があるのか無いのかは解かっていなかった。ワシントン州立大学(WSU)はいくつかの犬種の不利反応についての遺伝子研究で知られている。その大学のウェブ・ページには「問題は『対多種薬品反発遺伝子1(mdr1)』(当翻訳者による訳)の突然変異により起こる。」とある。
この遺伝子はたんぱく質やP−グリコプロテインを、脳から様々なドラッグや有害物質を排出するように指令を出している。突然変異をおこした遺伝子を持つ犬は、正常な犬のようにある種のドラッグを排出することが出来ず、したがって異常な神経系のサインが引き起こされ、そしてついには長期入院、あるいは死にいたる。

WSUはチーク・スワッブ・テスト(頬の内側を綿棒でふき取って細胞を採集して試験)という簡単な方法を開発した。これは飼い主や獣医が採取して研究所に送ればよい。結果が分かれば完全に危険と思われる薬を避けるだけでなく、薬を選んで調整することも可能である。

カリフォルニア大デイヴィス校もWSUのテストを使ってイベルメクチン感受性(mdr1突然変異体)の研究をしている。

MSR1とそのテストについて:
調査結果とその研究:http://www.pnas.org/cgr/reprint/042374101v1

ワシントン州立大学テスト・リクエスト・ページ;
http://www.vetmed.wsu.edu/depts-VCPL/test.asp

カリフォルニア大デイヴィス校のブリード区分情報:
http://www.vgl.ucdavis.edu/research/canine/projects/mdr1b/

参考1 (http://www.adtec-inc.co.jp/business/MDR11.htm より)
 コリー、シェットランドシープドック、オーストラリアンシェパードなどの一部の犬種においては、フィラリア予防薬や毛包虫症などの寄生虫駆除薬として使用されているイベルメクチンに対して感受性の高い個体が存在することが知られており、神経症状(昏睡、麻痺)やアナフィラキシーショックを起こすケースが報告されています1)2)。この副作用を発現させる原因はMDR1(multidrug resistance 1)遺伝子の変異であり、イベルメクチン感受性のコリーではMDR1遺伝子の4塩基欠失によりP糖蛋白(p-gp)が欠損あるいは発現が低いと想定されています3)4)。p-gpは脳の毛細血管内皮に発現しているため、これらMDR1遺伝子変異犬にイベルメクチンを投与すると、バリアシステムとしての血液脳関門を通過しやすくなり通常よりも多くの薬物量が体内に入るため、神経症状を呈するものと考えられています5)6)。p-gpは消化管、骨髄幹細胞などにも発現しており細胞質内の薬剤を細胞外へ排泄する機能を担っています7)。イベルメクチンの他にも一部の抗癌剤、免疫抑制剤、抗菌薬などにおいてp-gpの基質薬剤が知られており、MDR1遺伝子変異した感受性犬にこれら薬剤を投与した場合には中毒症状を起こす可能性が示唆されています8)9)。

参考2 (http://homepage3.nifty.com/DEAR-MOSES/DearMoses/note12.html より)
コリーがフィラリア予防薬(イベルメクチン)に対し、強い副作用をしめす可能性があることは有名な事実ですが、最近になって、その作用機序が明らかになりつつあります。そして、イベルメクチン以外にもコリーがある種の薬に対し、非常に感受性の高いことがわかってきました。

 現在、この副作用を発現させる原因は「mdr1遺伝子欠損」と言われています。
「mdr1遺伝子」は、体内に入ってきた異物(薬物)が、脳や脊髄といったデリケートな神経組織に侵入・傷害しないように、薬物を汲み出すバリアーの働きをしています。主に血液・脳関門(血中の薬物が神経組織に入らないようにしている)に存在しています。また、類似の機構が腸管粘膜にも確認されており、食事のように経口的に体内摂取されたものに対し、有害物質が腸粘膜から吸収されるのを抑制しています。

 イベルメクチン感受性犬(副作用をおこしてしまう犬)では、上記のバリアーシステムがいずれも欠如、あるいは不完全なために、通常よりもより多くの薬物量が体内にはいることになり、中毒をおこしやすいのです。

特異現象およびゲノム(遺伝子)調査

カリフォルニア大学テイヴィス校イベルメクチン普及調査の嬉しくない調査結果は別のプロジェクト―保護のためのシルケン・ウィンドハウンド全体の(特異)現象とゲノム遺伝子の地図作り―は犬のゲノム遺伝子における遺伝子マーカー(標識)全体が意味するところすべてを発見している。これは犬種において最初の「全体図」である。
UCデイヴィス校のこの新しい研究については以下にリンクのこと。
http://www.vgl.ucdavis.edu/research/canine/projects/silkens/
FADS (fetal akinesia deformation ssequence)

動物の多くは死産や生後数時間で赤ん坊を失うと言う悲しみを味わう事があり、これらの中には時として同様の身体的状況が現れる;すなわち、後ろ足が腹部の下に縮こまって曲がっていたり、前足は手首が胸に触れるように下の方に伸びている事もある。また、背中はねじれていることがあり(脊椎〈側〉湾曲症)、呼吸困難を伴う事もある。また、「奇形」は見られないで呼吸困難だけの時もあるかもしれない。一般的には元気な動きが見られない。

シルケン・ウィンドハウンド種では、この時たま起こる出生奇形を「ロータス・シンドローム」と呼ぶ。後ろ足の形がヨガの「ロータス(蓮)」のポジションのようになることが多いからだ。この症候群の子犬の兄弟で、「ロータス」が現れなければ健康問題と係わりなく正常に暮らしている。ロータス・シンドロームの子犬は一回の出産に一匹、あるいはそれ以上生まれることもあるが、一匹も出ないことの方が多い。

ペンシルバニア大学の研究者はシルケン・ウィンドハウンドに(ほかの多くの犬種にも)見つかった「ロータス・シンドローム」は人間のFADS「胎児性無運動奇形連鎖」(当翻訳者による訳)と同じだと考えている。FADSの子供たちはロータスの子犬と同じ臨床的特徴を示し、正常の呼吸ができないこともある。この病気の原因は今のところはっきりしていないが、いくつかの仕組みが提示されているので、同様にシルケン・ウィンドハウンドを見守っていきたいと思う。

ペンシルバニア大学はこの病気(人間のFADS)の為の研究予算を確保し、遺伝子マーカーの研究のリーダーシップを取っている。DNAテストへの協力的なブリーダーとオーナーたちとともに同大学はシルケン・ウィンドハウンド犬種を研究パートナーとした。

この協力関係を通して、現在研究されているこの「健康問題」プロジェクトはシルケン・ウィンドハウンドのみならず、人間の子供たちやほかの犬種全体を助け、徐々に問題点を取り除き、遺伝的な欠陥で数を減らすことの無いようにとの思いで進められている。

われわれシルケン・ウィンドハウンドコミュニティは、人間の子供たち、ほかの犬種、そして私たちのシルケン・ウィンドハウンドが古い問題に革命的な解決法を見つけ出せるように、こうして最前線で科学的研究に協力していることを誇りに思っている。

注:この文章の和訳はプロによるものではありません。
  したがって不適当な表現が使われている可能性があります。

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